先投稿で太田姓の家紋について記載しましたが
蔓の内にある葉が何であるか?
気になって仕方ないので下記参考文献のデーターを
いろんな角度から検討することにしました。
柏なのか、夕顔なのか?
参考文献
①『姓氏家系歴史伝説大事典』志村有弘編
②『日本家紋総監』千鹿野茂監修
③『日本紋章学』沼田頼輔著
④『都道府県別姓氏家紋大事典』千鹿野茂著
⑤原色牧野植物図鑑』(牧野富太郎)
⑥『図説草木辞苑』
まず①③から太田姓の出自と「葉と半車」合成紋の関係を要約すると
・三河 岡崎の太田氏-ー家紋(夕顔蔓の内に源氏半車)
・藤原氏 秀郷流太田氏ーー家紋(夕顔内源氏車)、(蔓丸内源氏車)
・・・・・すべて「夕顔」を採用している
次に②の収録数から
・車紋では 全110コの内 半車は8コ更に蔓と葉の合成紋は1コ(1%)のみ
「蔓柏に源氏車」・・・・ここでは柏を採用している
注記には太田氏(三河国より起こる藤原秀郷流)豊橋向山霊園他
・柏紋では 全463コ その内で車紋との合成紋は0(ゼロ)
・・・・柏紋と車紋の繋がりは希薄のようだ
・夕顔紋では 全15コの内 半車との合成紋は6コ(40%)もあった。
さらに3者(夕顔・蔓・半車)の合成紋は4コと
・・・・非常に関連が大きい
次に④から
愛知県の名字から家紋と出自を抜粋する
名 字 家紋名 出自
太 田 大田桔梗 清源多田氏族
(おおた) 石持地抜き片喰 三河藤秀郷流
左三つ巴 藤秀郷流
夕顔蔓に片輪車 藤秀郷流
丸に剣片喰 三河藤秀郷流
丸に違い鷹の羽 藤秀郷流、清源族
丸に桔梗 清源 多田氏族
丸に釘貫 清源、頼親流
丸に橘 橘氏族
丸に蔦 清源、新田氏族
・・・・やはり夕顔を採用している
更に前投稿「太田氏の系譜と家紋」で紹介した17コ(具体提示は4コ)の
墓石家紋について⑤と実物を照合・比較
特に葉の特徴から
柏紋では側脈4,5対に対してとカシワは7,8対
夕顔紋では側脈5対に対してユウガオも5対
・・・・・・・近似性から夕顔に軍配(実物に忠実な家紋の場合)
尚 ⑥において
かしは(柏)::::出典:日本書記・万葉集の記載が多く、食器の代わり、神事の道具としての使用
ゆふがほ(夕顔)::出典:源氏物語(夕顔、末摘花、玉蔓)に記載、
*家紋:夕顔花、蔓夕顔、夕顔葉源氏車、破車夕顔 など
源氏車・夕顔の関係が非常に強い
更に加えるに、半車の名称について、上記*のことを考慮して
①の解説では「片輪紋」の発音を嫌って「波切紋」となっているが、
「半源氏車」としたい
以上 私が信頼している以上の6文献の解析・考察結果より、
下記家紋の正式名称(個人的)を
「抱き蔓内に抱き夕顔葉と半源氏車」
又この家紋に限って名前を付ければ、明らかに蔓から葉が出ているため
「抱き葉付き蔓夕顔に源氏半車」
というのはどうでしょうか?
たいぶ長たらしくてすみません・・
今晩は。
返信削除クロスミさんの研究には頭が下がります(汗)
この紋の葉が夕顔の葉とは、クロスミさんの指摘されるまで判りませんでした。経験上どうしても柏の葉に似ていて、私は僅かですが太田姓で描いた事がありますので、「柏」-「蔓源氏柏」(この紋は紋典に掲載されています)で収録していました。
「夕顔」紋は未だかつて描いた事がありませんので、そちらの方へ収録するようにします。
群馬県の太田姓を名乗るものですが、当家では伝承によると夕顔蔓に片輪車と言い伝えられています
返信削除初めまして お便りありがとうございます。このように直接お話をお聞きできてありがたいです。書籍だけでは限界があります。家紋辞典などでは「柏紋」に分類されている例が圧倒的に多いので、実際に「夕顔紋」の実例の話が聞けて安堵しております。
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