でも今日では時代背景が変化しすぎて、若者にはピンとこない草も多いのでは。
そこで現代の人(と言っても昭和10年ですが)が選んで「秋の七草」の続編をつずけます。といっても家紋は菊だけ・・・
新・秋の七草
昭和10年当時の名士が選んだ秋の七草
コスモス 作家 菊池 寛
白粉花(オシロイバナ) 作家 与謝野晶子
秋海棠(シュウカイドウ) 作家 永井荷風
葉鶏頭(ハゲイトウ) 作家 長谷川時雨
菊(キク) 植物学者 牧野富太郎
彼岸花(ヒガンバナ) 歌人 斉藤茂吉
アカマンマ(タデ) 俳人 高浜虚子
コスモス キク科
作家 菊池 寛 (選)
作家 菊池 寛 (選)
コスモス |
秋風に静かに揺れ動く風情はモーたまりません。
一夜の嵐に倒れても、倒れたまま乱れ咲く。
この弱さが却って人の心を惹きつける。
「心中を せんと泣けるや 雨の日の
白きコスモス 紅きコスモス」与謝野晶子
流石に晶子らしい歌で、情熱も悲しみも強烈です!
・オシロイバナは明治12年イタリア人の美術教師が種子を持ち込み、明治末に日本全土に広がった。
・和名「アキザクラ」
・歌「秋桜」は山口百恵の代表曲、
・コクモスの命名はスペインのマドリード植物園長ガバニレス神父とか。
・語源は「調和・秩序・美麗」、
また「宇宙」はアメリカのコスモス衛生の語源。
白粉花(オシロイバナ) オシロイバナ科
作家 与謝野晶子 (選)
作家 与謝野晶子 (選)
オシロイバナ |
与謝野晶子も鉄幹と恋に燃えたとき、この花を見て化粧をしたのでしょうか?
オシロイバナは花期が長く、夏の終わりから晩秋まで咲く。
花は夜間性。西洋では「午後四時の花」翌朝には凋む短命花。
原産地は熱帯ペルー。貝原益軒『花譜』に「白粉花」とあり、江戸時代にはかなり普及していたらしい。
・和名「オシロイ」は種子の中に白粉状の胚乳があり、この汁を顔などにつけて遊んだことから。
秋海棠(シュウカイドウ) シュウカイドウ科
作家 永井荷風 (選)
作家 永井荷風 (選)
秋海棠 |
ベコニア類の1種で日陰地を好む。一見弱弱しいが、生命力はいたって旺盛。
しかしベコニアは熱帯性ですが、秋海棠は耐寒性が強く日本でも越冬できる。
日本への渡来は諸説あるが凡そ340年ほど前か?
中国別名に「断腸花」、永井荷風が最も愛し、自らの帝を「断腸亭」と号す。
ベコニア類の葉は左右非相称で中央の片方が張り出しひずんでいる。
「秋海棠 その葉は何を 片思い」 川柳子
・花言葉も「片思い、不調和、不釣合い」
・英名はエレファントイアー 「像の耳」
葉鶏頭(ハゲイトウ) ヒユ科
作家 長谷川時雨 (選)
作家 長谷川時雨 (選)
葉鶏頭 |
『枕草子』に「かまつか」の名ででており、平安時代に中国から入ったらしい。
日本の風土によく適応して、古くから親しまれたが、今や古典的植物。
・和名は葉の美しい鶏頭。
・漢名は「雁来紅」雁の渡る頃、葉鮮紅色 紅葉花の如し。
・別名「かまつか」は「雁を待ち紅く染まる」が縮まったもの。
菊 キク科
植物学者 牧野富太郎 (選 )
キク |
中国原産で奈良時代に遣唐使が持ち帰ったといわれる。
江戸時代に盛んに改良し、今日の豪華な花の下地ができた。
中国では薬草として利用され葉花を陰干し、粉末にし「菊酒」にする。
1日に3回猪口一杯の菊酒を
百日続ければ体は爽快
一年服すれば 白髪変じて黒髪となり
二年服すれば 抜けた歯が再び生え
三年服すれば 八十の老人変じて児童になる
と言われるほど効能は抜群!!・・・皆さんも一度試してみては如何ですか!!
日本でも酒と菊は切り離せない。
九月九日菊の節句(朝廷、貴族社会では不良長寿の霊酒を飲んだ)
・江戸時代に作られた花札・・・10月は菊と盃・・しかも役付き
紋章について
菊は戦前まで皇室のご紋として尊敬されていた。慶応四年鳥羽伏見の戦いで破れ幕府を追討する
有栖川宮の「錦の御旗」が16弁 の菊紋であった。
十六弁八重菊(天皇紋) |
これを転機に葵は凋落、菊が復活した。
明治二年正式に御紋章に制定されたが、戦後は一般人にも解禁された。
錦の御旗 |
彼岸花(ヒガンバナ) ヒガンバナ科
歌人 斉藤茂吉 (選)
ヒガンバナ |
・お彼岸の前後に決まったように一斉に咲く”季節のカレンダー”
稲田の畦道・路傍・墓地に燃え盛るように咲く・・・日本の安芸の象徴。
・忌み嫌われるーアルカロイドという毒成分で下痢や吐き気
アカマンマ タデ科
俳人 高浜虚子 (選)
アカマンマ |
「ままごと遊びの一品」
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