8月4日の「カザグルマと家紋」で「家紋百話」に記載されている風車紋の使用家について、
著者の丹羽基二さんが、下記の5氏と非常に少ないと書かれていました。
清和源氏満快流 の片桐氏、平氏清盛流の関氏、藤原氏支流の山崎氏、島氏、
さらに菅原氏流の室氏ぐらい。 以上は『寛政重修諸家譜』に載っている。
そこで本日は図書館へ行って
『寛政重修諸家譜』に「風車紋」がどのように記載されているのか調べてきました。
初日(17日)の調査結果では藤原氏支流の嶋氏と室氏は家譜から探せなかったのですが、
翌日(18日)再度調査した結果、最終巻の二十二巻に載っていました。
しかし関氏はやはり「風車」の紋の記載はありませんでした。
丹羽基二さん何とかしてください。
・先ず清和源氏満快流 の片桐氏について
『寛政重修諸家譜』第六
4家系の内1家系(初め下條を称し、3代の時片桐の改め、河内国交野、河内、大和国の添下三郡を領していた)
使用家紋は「風車」があり、ほかに6紋(「鉄線」、「菱の内鷹割羽」、「白鳥」、「菱の内鷹割羽」、「亀甲の内に花菱」、「三階菱」、「割貝」) があった。
残り3家系は「丸に違い鷹の羽」「亀甲の内花菱」 で「風車」は使用していない。
・次に平氏清盛流の関氏について
『寛政重修諸家譜』第八
2家系あるが、共に使用家紋は「揚げ羽蝶」「撫角」のみで、「風車」は載っていなかった。
・藤原氏支流の山崎氏について
『寛政重修諸家譜』第十六
山崎氏は6家系の全てが「丸に揚げ羽蝶」「風車(含む八本骨風車)」 の記載があった。
この当時は家紋の名称が統一されていなかったためまちまち。
・藤原氏支流の島氏について
巻十四、巻十五、巻十六のいずれにも島氏の記載なし
だだし最終巻二十二(P114)二家系あり
初代秀政の家系の家紋が「風車」があり、他に「左三藤巴」「轡」「万字」
もう一つの家系(初代豊忠)の家系は「風車紋」は無く、「五三桐」「立柏」でした。
・菅原氏流の室氏について
巻十七に室氏の記載なし
だだし最終巻二十二(P114)一家系あり 「風車」「梅鉢」が記載されていた
残念ながら「風車紋」はおもちゃのそれで、植物の「カザグルマ」ではなそうであった。
八本骨風車 |
風車 |
最後に『寛政重修諸家譜』について解説します。
江戸幕府が若年寄堀田正敦を総裁として、寛政11年より14年の歳月を費やして完成したわが国最大の武家系譜集である。
記載されている氏は五十七氏、1114家(同一家名を通算すると5925家)の家譜と家紋名が記載されており、
ここに載っている家紋の種類は255種(使用家により形状が違っており、通算すると2190種)となっている。
ただ『寛政重修諸家譜』には使用氏の家紋名は書かれているが、図は記載されていない。
従って『新訂 寛政重修諸家譜 家紋』には本書の編者である 千鹿野 茂氏 が
採集拓本約2万種の中から選び出して掲載してある。
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