滅亡した越前の名族の末裔が
越後越前浜に生き続け、その霊が子孫を守る・・・
歴史家:山下克典と山下卯三郎2代による調査結果を詩にまとめたもの
『歴史と旅』増刊号 秋田書店 平成3年 より抜粋
「越前浜の歴史」・・
一)織田の火攻めに、城落ちて
主君の義景、果てたあと
命に代えて、与三左衛門
愛王丸の、ともをする
二)百姓姿に、身をやつし
小舟に主従、二十八
涙も頬に、三里浜
落ちゆく月の、能登の海
三)世が世であれば、若君と
裃姿で、仕えるに
越後の国の、蒲原で
鍬を持つ手の、男哭き
四)くにに残せし、菩提寺を
憶うて建てる、西遊寺
御堂の甍、風強く
再起の悲願、道遠し
五)一乗谷の、城偲び
萬感胸に、植えた松
一本松と、人は呼ぶ
四〇〇年の、武者の夢